「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 2001年 12月 2日 11月 4日 10月 6日 9月 6日 8月 4日 7月8日

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12月2日
とうとう21世紀最初の年が後1ヶ月になってしまいました。 それにしても激動の21世紀の幕開けでした。 まだまだ何があるのか予断を許しませんが、ここ数十年で最も厳しい時代に入ってきたのではないでしょうか。 アフガン情勢は予想より早く決着が付きそうですが、最後の詰めが出来ていないようでビンラビンも拘束されていないようですし、ポストタリバンの構想もなかかなスムーズには行きません。 それにしてもタリバンと良い、北部同盟と良い、戦闘はともかく政治的にはなかなかやるな、と言う感じです。 タリバンは同時テロのチョット前に北部同盟のマスード司令官を暗殺していますし、最近では穏健派タリバンのハク氏を拘束、処刑してしまいました。 一説ではハク氏は50億円に上る買収用の現金を持っていて、それがタリバン側に渡ったこと、ハク氏がポストタリバンの有力者であったことなどから、一石二鳥の効果があったようです。 方やアメリカ側は北部同盟をうまく使ってマザリシャリフなどを陥落させましたが、北部同盟もちゃっかり首都カブールを治安維持と言う名目で抑えてしまいました。 結局、タリバンといえどもビンラビンを始めほとんどがいわば外国人ですから、アフガンの地理に詳しいわけでもなく、どちらかと言えば北部同盟のほうが現地の人間であったようです。

いずれにしてもこれからは国連を中心とした政治が表に出てきて、現地では難民救済とかの仕事が主になって来るでしょう。 こう言うときにこそ日本の存在をはっきりと示して欲しいものです。 日本人としても元国連事務次長の明石康さんや元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんなどが立派に活躍されているのですから、こう言う場面こそ日本の存在を示す好機ではないでしょうか?


経済状況ですが、国債の更なる格付け低下で、G7諸国中イタリアと同じ最下位、将来の方向を見るとさらに2段階の一気の格付け低下も見込まれて、結局先進国中では実質最下位になってしまいました。 10年ほど前はアメリカ全土を買い取ってしまうほどの勢い、また世界の工場を自他共に認めていたのが、あっという間に最下位となってしました。 それに輪をかけたのが同時テロと狂牛病事件で、これで民需を含めて経済全体が萎縮してしまいました。 格付けの下げに対しては流石の小泉首相もこれは大変と言っていましたが、その前の格付け切り下げでは、民間の格付け会社の言うことなんか、と言う無視をした態度で、株の大幅下落のときの「一喜一憂しない」発言や同時テロのときの「怖いね」発言と共にそれこそ資質問題を問われかねません。 今回の切り下げでも「国債が多いから」と言っていましたが、本当は現在議論されている構造改革が遅々として進まないことに大きな原因があります。

構造改革プログラムのほとんどが首相が名を取り、抵抗勢力が実を取るような方向で進んでいるのでは、改革は進んでいるとは言えないでしょう。 自民党が揺さぶられると言うか、反対に民主党の方が揺さぶられて、分裂の危機にあります。 株価は段々と戻っているようですが、これから各社の決算が明らかになる年明けから3月が次の山場を迎えています。 構造改革の本質が見えてくるのと、世界全体の経済状況も完全に不透明になって来ましたから、年明けは本当に波乱含みの展開になるでしょう。

先日テレビを見ていたら、100円ショップが紹介されていまして、何とそこの店員の給与は時給で800円、店員を束ねる店長がなんと+30円の830円、その店は全員パートだそうです。 アメリカの有名ハンバーガーチェーンの店長の年収が2-3万ドルと言うことですから、1日10時間働くとしても8000円、月当り25日でも20万円、年収は240万円と言うことになって、これもいわゆるグローバル(アメリカ)スタンダードなんでしょうか。 こう言うのを見ていると、これからは資産デフレと共に賃金デフレが起こってもおかしくない状況です。 労働組合がいわゆる正社員とともにパートの組織化を言い始めたのも、タイミング的にはちょうど良い時期かも知れません。 急激なデフレの後は誰もその正確な予測は出来なくなりましたが、これだけ流動性が上がっていると確実にインフレになり、そのコントロールはかなり難しいでしょう。 しかし、今回のデフレを誰も予想できなかったように将来のインフレも予想しない形で展開するでしょう。 金融のグローバル化がその最大原因ですが、アダムスミス並みの天才が現れてその処方箋を書いてくれない限り、過去の安泰とした良き時代はなかなかやってこないことでしょう。

やっと先日YahooBBが繋がりました。 7月に申し込んで、10月末に突然モデムが送られてきて、それから以前のDSLを解約して連絡したら、やっと11月26日に繋がっていました。 連絡は12月1日。 さてやってみる何と8Mb出るところが300Kb。 フレッツの半分でした。 おまけにDNSは繋がらずに、そのままではWebも見れず、FTPも何故か繋がらずに、このページの更新も別の回線でやらないといけなくなりました。 LANで直接繋いでいるので、セキュリティにも問題があり、基本理念は問題ないものの時期尚早のような気がしました。 速度の問題はISDNとの干渉が原因でしょう。 他の解説をよく見たら電話局から2.5Km以上は従来のフレッツが適しているとの事です。

今回は暗い話ばかりでしたが、10年前のシリコンバレーの状況が良く分かる本をご紹介します。 出版はちょっと古い(1995)のですが、たまたま引っ張り出して読んでみたら、これがなかなか面白い。 シリコンバレーアドベンチャー。 日経BP出版センター (1995-10-16出版) ジェリーカプラン [B6 判] NDC分類:548.2 \1,748(税別)。

ジェリーは「GO」と言うペンコンピュータ、後に言うPDAを初めて事業化しようとした人間で、その最初から最後まで克明に、しかし軽妙に書いています。 訳もまあまあで、読み物としても面白く読めます。 パートナーとしてのIBMやATTとの確執、金策に電話を掛け捲る話。 マイクロソフトやビルゲイツ、アップルのスカリーとのやり取り、会社の最後の時、など本当に実感があります。 なぜこんなに詳しく書けたかと言うと、日記を克明につけていたようです。 また自分がいない場面はその人間から直接聞いたそうで、実感があるのはそのせいかと納得できます。 実際はもちろん異なるところがありますが、まあ大体こう言うやり取りとか雰囲気とかは同じです。 私も数社のいわゆる社外役員をやっていましたので、ここにあるような生々しい議論にも参加した事があります。 この会社は日本の大手からの出資も受けて約70億円集めて倒産しました。 当時のシリコンバレーを直接ご存知のない方には巧著でしょう。 またこれからベンチャーを始めようという方には、実践的な教科書になるでしょう。

以下は書評よりの引用です。 「ぼくの親友で兄貴分、ロータスの創業者でもあるミッチェルが、新しく自家用ジェットを買った。 相乗りでサンフランシスコに戻る機上で、ひとつのアイデアがひらめいた。 キーボードのかわりにペンで入力する超小型のコンピューターをつくれば、世界は変わる…。 ミッチェルは、そのアイデアを実現するため、ただの技術屋のぼくに、会社をつくってその経営をしろと言う。 投資家は150万ドルの現金をぽんと出すし、あれよあれよと言う間に新会社ができてしまう。 話をかぎつけたアップルのスカリーや、マイクロソフトのゲイツまでが首を突っ込んでくる。 いったい彼らは敵なのか、味方なのか。 どうやらぼくは、とんでもない世界に足を踏み込んでしまったようだ…。」






11月4日
9月11日のあの出来事から約2ヶ月経って、多少は落ち着いてきたと言う感じはありますが、一方で米国での炭疽菌テロや、日本の狂牛病騒ぎでますます混迷が深まってきたと言う感じです。 経済はますます冷え込み、各社は理由も無く身を縮めてやり場の無い不安感をやり過ごそうとしているように見えます。 こんな折もおり、与党の一部が有利になるような選挙制度改正で議論が始まったのには呆れ返ってしまいました。 今回のテロには宗教が絡んでいるにも関わらず、何のコメントも発しない与党の一部には本当に腹が立ちまして、首相のメールマガジンにあったアドレスに抗議のメールを思わず出しました。 結果は流石にこれではいかんと言うか、与党内での反発があったのか、収束に向かった時に、タイミングよく受け取りのメールが来ました。 まあ、自動返信でもなさそうなので、それでも良いか、と思ったのですが、インターネットは政治も変える、直接民主主義の道を開く、と言う話を思い出しました。

そもそも現在の間接民主主義が考えられたのは、19世紀の英国であったはずで、その時は長距離の移動ですらままならなかった時代ですから、今のように極めて低コストで意思のやり取りが出来る今日の時代とは異なったのでしょう。 その結果、しょうがなくワンレベル置いた間接民主主義が考えられたのでしょう。 インターネットを本格的に導入すれば、直接民主主義も夢では無くなったのです。 いつかの政党のコマーシャルフィルムではないですが、「俺がやったほうがマシ」と言う現状の政治では、これの構造改革が最も優先する課題ではないでしょうか。

先日の国会の参議院の審議で、当選したばかりの女性参議院議員が始めての質問で、「テロに対する攻撃は国家テロではないか」と言っていましたが、首相に一蹴されていました。女性差別が売り物のタレントであったはずで、今問題になっているタリバンは女性の差別では異常とも思えるほどですから、真っ先にこれを問題にしないといけないのに、つまらん事に重要な時間を浪費してしまって、国会審議には我々の税金が少なからず使われていて返還して欲しいくらいです。

小泉首相もパッとしませんね。 結局ほとんど何もしないと言うか、出来ないと言うか、9.11連続テロ騒ぎで助かった、と言う話もあるくらいで、通常なら内閣が倒れても良いくらいの経済状況なのに何も出来ていません。 1枚看板の構造改革にしても、石原伸晃大臣が何かを提言しても抽象的な事しか言わないし、本気でやる気があるのかと疑いたくなります。 息子もコマーシャルで浮かれている場合では無いでしょう。

外務大臣の問題も決着しません。 事態が好転するより、ドンドン悪化の兆候を見せ、与党からも見放され、どうしようもなくなってきました。 未だに更迭されないのは小泉首相の1つの内閣では閣僚を変えないと言う公約を守っているためだけで、こうなってくると噂の「12月内閣改造」で他の事態と共に乗り切らなければならなくなるでしょう。

米国の軍事行動も膠着状態になり、なりふり構わずラマダン月にも攻撃をすることになったようです。 このまま行くと、テロ側の勝利になるわけで、米国としても何とか成果を上げたいところです。 最近の調査で識者の過半数が米国の対応を支持し、憲法の改正ないしは解釈の変更を容認していると言うことです。

炭疽菌テロで思い出すのは例の地下鉄サリン事件です。 1995年3月20日、霞ヶ関駅を通る日比谷線、千代田線、丸の内線に毒ガス・サリンが散布され、死者12名、負傷者5000人以上を出す大惨事となった事は記憶に新しいはずですが、すでに6年を経過しました。 規模から言って今回の連続多発テロに匹敵するものですが、その後の対策は遅々として進みません。 この時から適切な対策を考えていたら、今回の炭疽菌テロでももう少しまともなアドバイスと言うか貢献が出来たはずです。 あの時は結局破防法は発動されず、その組織は実質的にまだ存在しているのです。

わが国でも炭疽菌テロが起こっても全く不思議ではありません。 不信な郵便物の特徴は以下のようで、ウイルスメールへの対応とほとんど同じです。 基本的に危機に対応する態度は同じと言う事でしょう。 見ず知らずの人から送られてくるもの。必要以上に余分な切手が貼られているもの(返送される事を避けるため)。 綴りや肩書きに間違いがあるもの。肩書きはあるが、名前がないもの。 差出人住所が記載されていないもの。消印と差出人の住所とが一致しないもの。過剰な防護材(マスキング、テープ、ひも等)が使われているもの。「親展」や「秘密」などの限定的な語句が記載されているもの。 などなど。

流行したコンピュータウイルスの方の「W32.Nimda.A@mm(ニムダ)」は結局テログループが放ったものでは無かったようです。 しかしその強力さは大変なもので、本格的に軍事目的で使用すればどうなるかを示したもので、マスコミはあまり報道していませんが、冷静に見つめておくべきと感じます。 ホームページの書き換え合戦はドイツを中心としてハデに行われたようです。 こう言う技術はテロ側には少ないらしくて、イスラム関連のホームページはかなり書き換えられてしまいました。 見えさせすれば侵入は可能で、本気でアタックすれば、コンピュータセキュリティの専門会社のホームページですら書き変えられてしまった例があります。

今月からは、面白い本をご紹介しましょう。 いつまで続くのか自信はありませんが、一応やってみましょう。 今月は「日本国債の研究」です。 東洋経済新報社2200円なり。 これからの将来はどうしたらよいのか、と言う点に関しては異論がありますが、過去の国債発行の状況、国債は単なる借金ではなくて円を国際化するために必須のもの、とか言う国債の勉強にはものすごく役に立ちます。 これを読むとどれくらいの期間をかけて財政改革をしないといけないのか、どれくらい我慢をしないといけないのか、大体の方向は十分理解できると思います。









10月6日
今月の話題は何と言っても9月11日の同時テロでしょう。 犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈りします。

当夜は、10時前からずっと見ていて、何があるかもしれないので3時まではテレビから目が離せませんでした。 10年前の湾岸戦争は東京のホテルでたまたま夜中にテレビを見ていて分かりました。 その後アメリカに行ったのですが、アチコチに黄色いリボンがあるのを見て日本との差を感じました。 湾岸戦争をガルフウォーと言うのですが、このガルフがゴルフに聞こえてしょうが無かったです。 イラクはイラキと聞こえます。 あの時の大統領の息子が今回の大統領、あの時の国防相のチェイニーが副大統領、統幕議長だったパウエルが国防相というのも何かの因縁を感じます。

それにしてもアメリカの危機管理というか、いざと言う時の対応には感心させられます。 我々日本人は平和ボケも良いところで、あの後ほとんどキチンとした対応が出来ていませんでした。 いざ大統領に何かあってもその後の順位がきちんと決まっていて、ホワイトハウスにいた第2順位のチェイニーはいち早く地下壕に逃げ込んだそうです。 その後も大統領とは一緒にいなくて、キャンプデービットに非難していました。 日本では戦前に決められた天皇の継承順位はきちんと決まっているようですが、首相の継承順位は本気で決まっているようには思えません。 危機管理といえば、以前にラスベガスで発砲事件があった時、周りにいた人はものの見事に一斉に地面に伏せました。 ぼさっと立っていたのは私だけ、と言う経験もしまして、自分ながら危機意識は低いものと認めざるを得ません。

ブッシュ大統領も初日は流石に、うろたえたと言うか行動がハッキリしませんでしたが、段々と本領を発揮して、議会での演説は流石と言うものでした。 何度もリハーサルを繰り返したと言う事ですが、こう言うときの英語はさまになりますね。 日本語ではこうは行きません。 簡潔にして意思を明確に伝えると言う、このような場面にはピッタリです。 英語が完全に理解できているとは言えない私にもガーンと来ました。 ちょっと前には、人の良いだけが取り得と言われた大統領があの有名なケネディの演説に匹敵する演説を行ったのです。 言葉が短いだけで分かり易いといわれている小泉首相や、危機管理は言うに及ばずなんにも考えの無い、機密の意味すら分からないような某外務大臣は全く影が薄くなります。

1993年の同じビルの地下駐車場の爆破は、片方のビルを横倒しにして隣のビルにぶつけて両方とも倒壊させると言う計画だったと聞きますが、今回はまさかと思ったパンケーキクラッシュが起きて、何と両方とも完全に倒壊してしまったと言う、狙った方からすると完璧な攻撃になりました。 ペンタゴンは5階建てなので狙いにくかったのでしょう、被害はそれほど大きくはありませんでいた。 攻撃側の意図はわかりませんが、ホワイトハウスが無事だったのは不幸中の幸いと考えるべきでしょう。 ホワイトハウスは2階建てで狙いにくいと言う事情もあったのかも知れませんが、国家の威信を傷つけると言う意味ではもっとも優先度が高かったはずです。 ペンタゴンとはポトマック川をはさんで飛行機からは丸見えであったはずで、おまけにホワイトハウスの前はグランドになっていて、障害物はありません。 唯一のものは例のオベリスクで、オベリスクを目標に突っ込んでオベリスクをへし折り、そのままグランドに突っ込めばホワイトハウスは脆弱な建物ですから完全に破壊する事は出来たはずです。 ピッツバーグの郊外に墜落した飛行機はそれを狙っていたに違いありません。 当夜の報道ではキャンプデービッドが標的と言う話がありましたが、そうではないでしょう。

ワシントンのダレス空港、ボストンのローガン空港は私もよく利用する空港で、特にボストンを出る8時ごろの飛行機には良く乗りました。 ただ行き先はロスではなくてサンフランシスコで、ロス行きは乗ったことが無いのでこう言う事件には巻き込まれる事は無かった事になります。 まあ誤解を覚悟で言えば、国際線にしろ国内線にしろロス行きはいろんな人が乗っているので、犯人の狙いにはピッタリと言えます。 ロスはあんまり好きではなくて、ニューヨークも好きでなくて、仕事が終わったら一目散に退散と言う事をやっていましたので、あの時点でその付近にいても事件に巻き込まれる可能性は低かったと思います。 事件後サンフランシスコの知人に見舞いの電話をしましたが、あれだけ離れていてもショックは大きかったようで、声が緊張していました。 大きなビルは全て立ち入り禁止になっているとの事で、航空機に乗れないと言う事と相まって経済への影響が大きく懸念されます。

それにしてもG8の首脳のフットワークは軽いですね。 何とロシアのプーチンは真っ先にブッシュに電話を入れて協力を申し出る、英国のブレアは真っ先にニューヨークに駆けつける、ドイツのシュレーダー、何かといちゃもんをつけるフランスのシラクの動きも急です。 ブレアは被害者が多かったせいもあるのか物凄く良く動いて、先日もパキスタンに行ったようです。 ドイツも大きな犠牲者を出していますので、いち早く万人単位の追悼集会を開いています。 更にはタリバンに拘束中のボランティアの半数はドイツ人で、影響は深刻です。 片や我が方は、未だに首相が北京に行くとか、パキスタンにも行かなかった(行けなかった)外務大臣など何をしているのかと大きな声を出したくなります。

野党も未だに「戦争巻き込まれ論」を展開するなど、経済は世界から周回遅れと言われていますが、政治は周回遅れどころか2周も3周も遅れた議論をしているのをテレビで見るにつけ、こんな事をしている余裕はあるのか、と暗澹たる気持ちになります。 日本人もハイジャックで巻き込まれた人を含めて数十人が殺されているですから、これへの対応が出来なくて何が国家で、自衛隊なのか分かりません。 ゴチャゴチャ言う野党や与党の一部は、テロでやられそうになったら、そのまま無抵抗で居ろとでも言うのでしょうかね。 全く現実感の無い空論をやっているとしか思えません。 ニューヨークの総領事館も何にもやってくれなかったと言う話もありますし、一体日本と言う国はどうなっているのか、と真剣に思います。

NHKのアナウンサーですら、「憲法で禁止されている」集団自衛権の発動は、と枕詞のように言い、「保有するが発動しない」と言う分けの分からん解釈が内閣法制局により示され、歴代の政府がこれを盾に責任逃れをしてきたのですが、本来の政治家の見識やビジョンはどうなったのか、未だに役人が言う事しか自信を持って言えないのか、政治とは何なのか、と考え込んでしまいます。 さっさと集団自衛権を行使できる、国連憲章でも自然権と認めれている、と憲法解釈を改めて、自衛隊に自信を持って仕事をしてもらって、危ない事は民間に、危なくない事は自衛隊に何ぞと言うアホな事を言うのに時間を取られるのではなく、本当にデフレスパイラルの崖ップチを何とかする政策を早く取って欲しいものです。 小銃がなんで国権の発動なのか分からないし、自衛隊がやろうとしていることは軍事的にはなきに等しいものです。 ちょっとは武器の種類くらいを勉強してまともな議論をして欲しいものです。 日本は軍事的には十分な貢献は出来ないの自他共に認めるところですから、少なくとも政治よりマシと言われていた経済は何とかするのが本当の国際貢献でしょう。

それにしてもCIAやFBI、NSAは何をしていたんでしょうね。 エシェロンみたいなすごいシステムが動いているのに、情報をキャッチできなかったと言うことでしょう。 これを機会に情報の暗号化を規制しようと言う動きがあると言うことですが、既にかなりの強度の暗号ソフトが出回っており、そう簡単には規制は出来ないでしょう。 またエシェロンの限界が分かってほっとした人も多いでしょう。

同時にサイバー攻撃も激化しているようです。 あちこちのサイトが書き換えられて、イスラムを攻撃するメッセージに書き換えられていたり、 DOS攻撃(多くのアクセスを集中させることによってサーバーを停止に追い込む)によってダウンさせられたサイトも多くあります。 またほとんど同時に流行した「W32.Nimda.A@mm(ニムダ)」はテログループが放ったものと信じられています。 その強力さは大変なもので、かなりの会社のシステムがダウンしました。 複数の攻撃がミックスされており、Javaによる攻撃がかなり効いた為にメールやサイトをアクセスしただけで感染します。 従来はファイルを開かないと感染しないと言われてきましたが、HTML形式のメールは、受けたほうが自動的に開くためにその中に悪意のあるJavaが含まれていると感染します。 唯一の救いは感染が起きるだけでたいした被害は無いということです。 但しトラフィックが増えるのでサーバーの動きが極端に遅くなります。 対応策は、HTMLメールを送らないこと、受けないこと。 受けても自動で開かないこと。 只といってMSのOUTLOOKを使わないことです。 特にOUTLOOKは初期設定がHTMLメールになっているのでこれは罪が深いです。 マイクロソフトはあれだけ儲けているのですから、ウイルス対策に貢献すべきでしょう。 間接的な責任はあるのですから。






9月6日
株価がどんどん下がって、国債の各付けまでも見直しがかかって、いよいよ9月が山になってきたような感じですね。 3月危機とか言われて、たいした事がなかったのですが、今度ばかりは本当に怪しいでしょう。 週刊誌にも株価が9800円以下になると言うような記事が出ていました。 頼みのアメリカの調子も良くなくて世界同時不況です。 しかしこの間、塩川財務大臣が言っていましたが、企業の収益は落ちてないよ、との事ですがこれは2000年度中の決算で13%増加したと言う話で、その時とは月とスッポンほど状況が変化しているようで、政府の感触も鈍感であるとしか言えないようです。 ちなみに2000年度中のトップは2年連続のトヨタ自動車で、6791億円。 乗用車を中心に販売台数を伸ばし、営業利益などが過去最高を記録したことから、申告所得額は前年度比で40.6%増加したとの事。

国債の各付けは6日に、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本政府の円建て債務格付けを引き下げ方向で見直すと発表しました。 まあこれだけ乱発していると下がるのでしょうが、結局長期金利は上昇して、デフレで実質金利が上昇している中で、名目上の短期金利はほとんどゼロですが、長期的にはものすごく高い金利になって、お金をジャブジャブ借りようと言う気には全くならないでしょう。

まあ暗い話はこれくらいにして、あの時は良かった、1980年代のIT、つまりその時はコンピュータのお話を一つ。 最近ARM(アーム)と言うCPUチップないしは会社の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。 ケータイとかPDAなどに良く使われています。 これは何とイギリスの専業ベンチャーのライセンス品で、アイデアさえキチンとあればインテルなどの大手に対抗して事業を継続できると言う見本みたいなものです。 イギリスと言うところは古い歴史を持っていてなかなか新しいものは出てこないようなイメージがありますが、ビートルズだけではなくてITの分野でも、AIのPrologとか、全く新しいとんでもない発想のものが出てくる所です。

私が何故ARM社に親近感があるのかと言うと、このCPUチップの元は1985年にAcorn Computerというところが世界で始めて商用のRISCチップを作った事に発します。 これは意外に知られていなくて、Sun Micro社 が Sun Work Station 用に作ったのが最初のように思われていますが、その5年も前に出来ていたのです。 最初にこれを知ったのは、イギリスから企業研修に来ていた若者がイギリスに戻った後、こんなものがあると言ってきてくれました。 確か1987年ごろで50万円ほどだったと思いますが、これを1台買い込んだのは良いが、何に使うのかさっぱり分かりませんでした。 一応はパソコンでOSは動くのですが、アプリケーションソフトは皆無。 全て自分で開発しないといけないわけで、最近のようにVisual Basic 見たいなものがあるわけではなくて、そう簡単に作れるものではありませんでした。 確かに速度は速そうでしたが、結局使い物にならずに打ち捨てられてしまいましたし、 市場の反応も同じで、これは成功しませんでした。

その後、一時はAppleに採用されたとか言う話があったのですが、当時からAppleは調子が悪くなり、JobbsもAppleを追い出されて Next Computerを作ったばかりの頃で、これも日の目を見ませんでした。 この頃から組み込み分野に特化した戦略に変更し、低消費電力と安いライセンス料を武器に広まっていき、現在では世界63社にライセンスを供与しているとの事。 従来のPDAやケータイに加えてモトローラや日立の独壇場である、自動車やデジタルカメラの分野にも浸透しようとしているようです。

コンピュータの分野のもう片方のスパコンでは「グリッド・コンピューティング」がIBMによって推進されています。 これはスパコンに相当するコンピューティングパワーを使いたい時だけインターネットを経由して使って、その使用に応じてお金を払うと言うもの。 もちろん名前の通り、スパコン1台どこかにあるわけでなく分散コンピューティングを一歩進めたもので、大学や研究機関のサーバ,ストレージデバイス、さらにはスーパーコンピュータをオープン標準経由でまとめて非常に大規模なコンピューティング処理をさせるものです。

これは以前に紹介した事がある、SETI@home(宇宙からの無線信号を検索するために自分のコンピュータを使用していないときに提供するというピア・ツー・ピアの作業)などの構想と同じようなもので、他には暗号の解読をやっているものも同じような技術分野に属するでしょう。 これらは同じアプリを処理するもので、比較的簡単ですが、汎用として提供するにはブレークスルーしないといけない問題が沢山あるようです。

非常に大規模なホスティング環境などやコラボレーション、ナプスターのようなデータベースの共有による Peer to Peer とも大きく関連があり、21世紀のコンピューティングの方向を明確に示しているようです。

同じようなシステムは Sun Micro社からも「コンピュート・ファーム」として提案されています。更には、未使用のコンピューティングリソースを探し出し、これを個々のジョブと結びつけ,計算機能をデスクトップに返すというソフトウェアを含んだ「Grid Engine Project」も発表しています。 このソフトウェアの50万行以上ものコードを,Webサイトからダウンロードできるようにしています。






8月4日
先月号でも触れた小泉メールマガジンは、首相のメッセージは段々短くなってきて、今週は本文11行でした。 まあ毎週と言うのはなかなか難しいでしょう。 この一言も月毎ですが、なかなか大変です。 またこれも触れましたが、YahooBB! はあっさりと1ヶ月延期となりました。 DMが来て8月下旬と言うことでしたが、ニュースでは9月と言うことです。試験中と思われる回線での速度は平均 2.0Mbps、90%範囲で 390kbps〜5.0Mbps との事でやはり8Mbpsは出ないようです。 ちなみに NTTフレッツADSL は 平均880kbps、90%範囲で300kbps〜1.3Mbpsですからそれよりはかなり速いと言うことになります。

NTTフレッツADSLとYahooBB!との違いは、ADSLの規格の違いはもちろんあるものの、もっと基本的なところで異なります。 フレッツはあくまで端末とISPの橋渡しだけです。 従ってPPPoE(PPP over Ethernet) と言うプロトコルで、常時接続とは言いながら、接続をしなくてはなりません。 この時ダイナミックにIPアドレスが割り当てられるので、もし他に割り当てるアドレスが無くなると、IPアドレスの割り当てが打ち切られるようです。 ということは常時接続とは言いながら接続しなおしと言う事が起きてきます。 PCを接続する事を前提にしているので、PCを落とせば接続は切れます。 次にPCを立ち上げたときに接続をしなくてはならないのです。 こう言う複雑なことをしないといけないので、料金はなかなか下がらないし、速度も落ちてくるのです。

片やYahooBB! はこのような通信線とISPと言う考え方は無くてISPに直結ですから、こう言うオーバーヘッドはありません。 従って速度も上がってくるのでしょう。 まあいろいろと批判はありますが、NTTの方が対応も良く、最近値下げもわずかですがありましたし、手軽に利用するのはNTTフレッツADSLが良いでしょう。

先々月にチョット触れましたが、今年4月に「電子署名及び認証業務に関する法律」(簡単に電子署名法)が施行されました。 テレビでは深谷大臣がワープロらしいものの上で印鑑の陰影を動かしていましたが、電子署名とはこのように電子的に判子を押す事と勘違いされている方は多いのではないでしょうか。

我々が良く使う判子は、要するに本人確認なのです。 時には署名と実印というような場合もありますが、要するにその人本人が確かに了解したと言う意味です。 重要なものには市役所に登録したいわゆる実印を押して、更には印鑑証明書を添付するのは皆さん良くご存知のところです。 これと実質同じ事をやるのが電子署名です。

インターネットなどで、一般的に行われているのはIDとパスワードによる本人確認です。 どこかのサイトに入りたい場合でも、このIDとパスワードによって、本人と確認され、入ることが許されるのです。 現在ではATMなどの機械相手ではパスワードもしくは暗証番号が本人確認の手段になっていますが、この方式には問題が多く少なくとも法律的には本人確認をしたことにはならないようです。 ランダムに作った8文字以上のパスワードはなかなか破れませんが、4桁の数字である暗証番号は自宅の電話番号とか誕生日とかになっていて、すぐに連想できてしまいます。 更にはPCのCRTの周りにパスワードが貼り付けてあったりして、システムの問題と言うより、管理する人間側の問題が多いようです。

電子署名法では具体的な方式については規定されていませんが、その条文を守っていくと自動的に公開鍵方式の暗号技術に依存していることが分かります。 公開鍵方式とは暗号化の鍵は秘密だと言う常識を180度変えて、公開してしまおうと言う考え方で、他方暗号を解読する鍵は秘密にしておきます。 基本的な原理は素数の因数分解が難しいと言うことで、例えば 3x7x13は 273とすぐに計算できますが、273を素因数に分解する事は何回かの試行錯誤が必要で、簡単には計算できません。 公開鍵方式はこの片方向の計算容易性を最大限に利用するものです。

実際に使う場合には認証書を入手します。 正式には市役所に当る認証局で認証された認証書(実印に当る)を発行してもらいます。 皆さんお使いのIEにはこの認証書を扱う機能が既にインストールされています。 [ツール]→[インターネットオプション]→[コンテンツ]→[証明書]で自分が持っている認証書を確認できます。 認証局は大企業であればその企業が行う事も可能です。 最終的には国が認証局の認証を行い、間接的にはすべての認証書が国の認証を受けることになると思います。

この公開鍵方式の認証をうまく使うと、イントラネットのような特定の人間だけがアクセスできるシステムをインターネットの上で簡単に構築できます。 従来はVPN(Vertual Private Network)方式でやるのが常識になっていましたが、認証方式の方が簡単に安く構築できます。 しかし、特定のサイトだけでなく種々のデータをアクセスするのであればVPNの方が効果的な場合があります。 ちなみに某証券会社のインターネット株取引のサイトでは各種の方式の内の一つとして実用化されています。

先月ご紹介した映画の「AI」は賛否があるようですね。私はどちらかと言うと「否」でしたが、「賛」の方も多くおられるようです。 「Please make me a real boy.」とオスメントが何度も言うのですが、映画が終わってからのインタビューでは見かけの年齢上に早口でまくし立て、なんだか空々しくなってしまったのも原因かもしれません。 同時に見に行こうと思って止めた「パールハーバー」。 ポスターを見てほとんどタイタニックと同じイメージで、二番煎じの感じは否めませんでした。 戦争の正否は置いておくとして、純粋に技術的な面から見ると、真珠湾攻撃は大変な事で、あれだけの大部隊の情報を秘匿しながら、あの長距離を星を頼りに出かけたわけですから、大変なものだと思います。 今でも日本を出た飛行機が10時間ほどでちゃんとアメリカの西海岸に到着するのは驚異的です。 今日では種々のサポートシステムが働いているのでしょうが、当時は何も無く本当に星が頼りの航海です。 また始めて行ったオアフ島のどこに何があるのかと言うようなことは、訓練が当然になされたのでしょうが、これも驚異的です。 空の上からと言うのは分かりやすいようで、低空ではなかなか分からないものです。 その後のミッドウェーでは散々でしたが、80年代と90年代の日本を象徴しているようです。







7月8日
今月は当然に小泉メールマガジンが話題でしょうが(ご覧になりましたか?)、それは次回にして、今月はとうとうソフトバンクとYahooのADSLである「Yahoo! BB」 がとうとうスタートした話です。 ソフトバンクが SpeedNet や何やらでやろうとしていたことが、やっと今度は実現しそうです。 料金も990円+1290円+550円=2830円と格安で、金額は前から接続料、ISP代、ASDLモデムのレンタル費です。 初期費用も3600円と高い他社に比べると1/10程度になっています。 さらに驚くのはその速度で最大8Mbitとの事で、通常のADSLの5倍以上と言う速さです。 もっともこの速度が出るのは本当に電話局に近い所でないと駄目なような気がします。 8月からの本格運用が見ものですね。 これらの特徴のおかげで申し込みも10万とも20万とも言われてすでに最大のADSLプロバイダになっています。 私もとりあえず申し込んでみたのですが、結構あっさりと正式の申込が出来ました。

ちなみに私はNTTの両日本と東京メタリックのサービスを受けていますが、今年に入ってからのNTTの対応の良さにはビックリします。 片や東京メタリックは電話局との対応に手間取って、いかにもイジメを受けているような感触でした。 そのためか身売り話が出ているようです。 メタリックの東条さんとか東京インターネットを立ち上げたアステックの木下さんなんかは元々ワークステーションをやっていた仲間と言うか知り合いですので、何とかがんばって欲しいのですが、東京インターネットもとっくの昔に身売りしてしまい、今回も東京メタリックというのは寂しい限りです。 買い手はもちろんソフトバンクともっぱらのうわさです。

ところでADSLは本当に速いのでしょうか? 東京でやってみた東京メタリックとNTT東日本はそれなりに1.2Mから1.5M出ましたので、最高のレベルと言うことでしょう。 大阪の実家は田舎で、電話局から直線で3Kmほど離れていて、700K程度しか出ませんが、これが平均的だそうです。 速度を計るサイトもありますのでADSLを使っておられる方は測定をしてみてはいかがでしょう(下の写真をクリック)。 また、Windows98は遅いモデムにシステムのパラメーターが最適化されているためか、パラメーターの変更で2倍にも速くなった例があるようです。 但しこれはレジストリと言うシステムの根幹をいじりますので、下手をするとシステムが立ち上がらなくなることがありますので、バックアップを取るなりしてください。

Windows2000は高速の回線に最定期化されているためか、こう言うパラメーターの変更ではほとんど早くならないようです。 しかし、そう言うことをやっているサイトもあります。 さっき私もやって見たのですが、なぜか急にADSLそのものがつながらなくなって、慌てて元に戻した次第です。 他の理由でしょうがWebの更新中なので元に戻しました。 元に戻すパッチもありますから、駄目元でやって見られたらいかがでしょう。

Windows2000の話が出たついでに、それにしてもWindows98は良くフリーズしますね。 電源を切らずにサスペンドなどを使おうものなら、すぐにフリーズ。 結局毎回立ち上げなおさないといけないことになります。 マイクロソフトも控えめに言っていますが、98は家庭用というか要するに玩具(それにしては高い玩具)で、仕事には2000を使うべきなのです。 なんと次のOfficeXPでは、落ちたら(フリーズしたら)「すみません」と言ってくれるらしいのですが、これも人を馬鹿にした話で、そもそもコンピュータはフリーズなんかしたらいかんのです。 MS社はコンピュータはフリーズするものと言う常識? を植え付けてしまった? のでしょうか? また、コンピュータの説明書にはこれを使って損害を受けてもメーカーは責任を負いません、と書かれていますが、これも無条件と言うのはおかしくて、車や家電製品ではそれによって事故を起こしたら、場合によってはメーカーも処罰されます。

こう言うケースに比べてWindows98はあまりにもひどいので、これは消費者訴訟でも起こすべきなんでしょう。 訴訟国家であるアメリカでそのような動きがあまり無いのは、日本語とかがサポートされていないのでフリーズする確率が少ないせいと思います。 フリーズを自分の操作ミスと思っている中高年のPCユーザには本当に同情します。 MS社にこれ以上儲けさせるのは本当に面白くないのですが、自衛のためにはしょうがなく2000を使いましょう。 また、よくPCを知っている人に常駐プログラムを消去してもらいましょう。 タスクバーの右側、時計のある当りにゴチャゴチャあるやつです。 あれが元凶でよく落ちるわけです。 98MEはもっと悲惨でまあ少なくとも仕事には使い物にはなりません。 MS社も間接的にはそう言っているのですが、ハッキリとは言いません、現状の非を認めることになるからです。

ところで、久しぶりに映画を見ました。 例の「A.I.」と言うやつです。 ちょうど封切り当日だったためか満席でした。 6th Sense で一躍有名になった Haley Joel Osment 主演。 前のときは演技をしていると言う感じでしたが、今回はなんか地でやっている感じ。 最初は息子の代わりにロボットと生活していたのですが、そのうちに息子の病気が治って、結局はロボットの姥捨て山みたいなところに捨てられます。 それまではホームドラマみたいだったのがここから変化。 このあたりはスティルバーグらしくて、大きな月の形をした監視船も何かのパロディ。 最後は2000年後の世界まで一気に飛んでそこで髪の毛から再生した母親とやっと一緒になってお終い。 最後は拍手がパラパラとあったが、言われてみないとスティルバーグとは思えないし、2000年後の人間とは思えないものも変。 人間て2000年ぐらいではそんなに変わらないのに。 ピノキオと一緒で、このロボットは最後まで本当の人間になることを願って死んだ? んですが、何故そんなに強烈な願いがあるのか良く分からない。 そう言うロジックを組み込んだ人工頭脳を作ったと言うことからスタートしているので、理由はなし。 ちと不満が残った映画でした。