「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 2013年 6月 2日 5月 5日 4月 2日 3月 3日 2月 2日 1月 1日
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2013年6月2日
株価大乱調です。 連休までは気をつけていたんですが、その後は麻痺してしまったようです。 と言うよりは、日経平均より個別銘柄の株価に気を取られていたと言う事でしょう。 金曜日は日経平均は上がったのですが、今まであまり下落しなかった米国市場の下落が大きかったので、世界で最初に開く、明日の日本市場の寄付きが見ものです。 13000円を切るところまで行くのではないでしょうか。 ちょっとしたミニミニバブルでした。 バブル相場と言う言葉が、ふっと頭をよぎりった後に下落が始まりましたね。

リーマンショックのあとは、各国で金融緩和が大規模で行なわれましたが、こう言う前代未聞の緩和には必ず副作用があります。 リーマンショックの前のデフレ期でも日本では大幅な緩和が行なわれて、それが巨額の債務残高に繋がっているんですが、この時にみんな思ったのはインフレになると言う事でした。 私も10年前にはそう思いいましたが、10年経ってもインフレどころか、デフレが進行しました。 中国の安価な製品のせいにする議論もありましたが、今は全世界的にデフレが進行しようとしていて、どうも世界中が異次元の経済状況に陥っているような感じです。

QE3からの出口戦略を探るアメリカは、復活したように見えますが、ヨーロッパは身動きがつかないし、中国も失速気味。 発展途上国も落ち込んでいて、ここでアメリカの調子が悪くなると、日本が再生する前に、また世界的な不況に陥るのではないかと危惧します。 結局緩和した金融は、インフレに向かうのではなくて、緩和した財政に逆流して、日本が経験している流動性のワナに陥ってしまうのではないかと心配しています。

日経の夕刊は経済話題以外の記事が面白いです。 先日まで、岡本綾子の私の履歴書が連載されていました。 最近の女子プロの名前は分かりませんが、この連載には、親友だったパティリゾとかローラボーとか懐かしい名前のオンパレードでした。 なんとなくイメージどおりの実態だったみたいなので、興味深く読みました。

同じ連載で面白かったのは日本酒の話。 自分でブレンドして飲むとのことで、この記事の評判が良かったらしくて、2回同じ話題が続きました。 そこで発見したのは「みりん」でした。 コクの無い日本酒には、みりんをブレンドすると味が飛躍的に良くなるとの事で、みりん(味醂)とは何だと興味が沸きました。

味醂は調味料としか認識が無いですが、さっそく料理用の味醂を取り出して飲んでみました。 日本酒が出来るまでの江戸時代は、お酒として飲まれていたようです。 思った通りに物凄く甘く食事の間には飲めないですが、コーヒーのウイスキー割りのKaruha とか牛乳のウイスキー割りのBeileys と同じと思えば、少し日本料理には味がきついですが、食後酒としてはアリだと思いました。

更に調べると、焼酎を混ぜて味を調え、アルコール度を上げたものは「直」(なおし)、「柳蔭」(やなぎかげ)と呼ばれて高級酒だそうです。 また、正月に飲む「お屠蘇」の日本酒に薬草と共に味醂を入れるのを思い出しました。

落語の「青菜」に「柳影」が登場します。

「ああ、御苦労さんじゃな。植木屋さん、こっち来て一杯やらんかいな。」
「へえ。旦那さん。おおきにありがとさんでございます。」
「一人で飲んでてもおもろあらへん。植木屋さん相手に一杯飲もうと用意してましたのじゃ。どや、あんた柳蔭飲まんか。」
「へっ! 旦那さん、もうし、柳蔭ちゅうたら上等の酒やおまへんか。いただいてよろしいんで?」
「遠慮せんでよろし。こうして冷やしてました。さあ、注いだげよ。」
「こら、えらいありがたいことでおます。」
と、柳蔭(上等の味醂酒)を御馳走になり、「うわあ、いい酒でんなあ。」とすっかりいい気分。

この影響か、土曜日の日経の調味料ランキングのトップは、「福来純三年熟成本みりん」でした。 同じメーカーからは、名前もずばりの柳影も発売されています。

今月の読み物は、異次元の金融緩和の原点を探る「高橋是清と井上準之助―インフレか、デフレか 」(文春新書) 鈴木 隆 著 ¥872
これを読んでいると、当時も今もほとんど変わらない議論をしているんだと実感しました。 当時はこの時点から、軍部の独走が始まったのですが、現在では何が起きるのでしょうか。 似たような内容の本は多いですが、2人を対比させたことで、その時点の政治状況も良く分かります

内容(「BOOK」データベースより)
いまの日本に必要なのは、国債バラマキか、それとも財政緊縮か。昭和のはじめ、同じ問題に直面していた。インフレ政策の高橋是清と、デフレ政策の井上準之助。だが、ともに劇薬の扱いを誤り、この国を悲劇へと導いた―渾身の歴史経済ノンフィクション。

★★★(是非読むべし)








2013年5月5日
連休で市場も一服です。 日本が休んでいる間に、円は99円台になり、日経先物も14000円台に復帰ししました。 これで連休が明けるとどうなるかが面白いですね。 5月の中旬は、ヘッジファンドの決算の締めが多いので、この影響がどう出るかです。 いずれにしても黒田日銀総裁が、打てる手は全て一気に打った、と言ったとたんに、次の材料はなくなりました。 短期東しから、長期投資に戦略を切り替えるタイミングでしょう。

投資信託に資金が流入していると言う報道が多いですが、今更と言う感じもします。 投資信託は手数料が高いので、運用会社だけが儲かると言う仕組みになります。 日本からは投資しにくい外国債券や株式ならイザ知らず、日本株に投資する投資信託なら、直接株式を買うか、銘柄選びに困るのなら、ETFを購入すれば良いのでは? と思ってしまいます。 過去のパフォーマンスを見ると、日経255のETFのパフォーマンスを上回った投資信託は数えるほどしかないようですので、たまたまその投信を買ったら日経平均より儲かったというだけでしょう。

昨年はコンピュータの生みの親のイギリス数学者アラン・チューリング生誕100年であったためか、チューリングに関する書籍が沢山出版されました。 コンピュータの原型を作ったチューリングも、1954年6月7日に41歳の若さで青酸カリを使った不幸な最後を迎えました。

1936年の論文「計算可能数について──決定問題への応用」で発表されたチューリングマシンが、現在のコンピュータの原型です。 私も、学生時代にチューリングマシンの講義を受けて、非常に新鮮な感じを受けたのを覚えています。 未だに記憶している授業のひとつです。

仮想マシンもさることながら、計算可能数と言う概念も素晴らしかったと思います。 計算可能数は、有限の手段すなわち計算数で計算できるということを示した点です。 当時の疑問は、与えられた計算にどれだけの時間がかかるのか、永遠にかかるのか、が不明だった点にあります。

チューリングの仮想マシンは、当時の最新技術であった、磁気テープを元に考案されています。 プログラムどおりに物事を進めていくとと言うのは、西陣織のジャガート織機などでは、以前から実現していましたが、チューリングマシンのすごさは、そのプログラムを自分で書きなおすと言う点にありました。 これが、コンピュータを単なるプログラムマシンから、現在のようなソフトウエアマシンに変革した点だと思います。

チューリングの仮想機械は、以下の動作を、機械は内部状態が停止状態になるまで反復して実行し続けます
1.無限に長い磁気テープ
2.その中に格納された情報を読み書きするヘッド
3.機械の内部状態を記憶するメモリ

で内部状態とヘッドから読み出した情報の組み合わせに応じて、次の動作を実行します。

1. ヘッド位置のテープに情報を書き込む
2. 機械の内部状態を変える
3. ヘッドを右か左に一つ移動する

しかしチューリングマシンのように、プログラムそのものを書き直すと言うのは、実用上問題が多かったようで、主に書き直すのは参照アドレス部分だけなので、最新のコンピュータでもそうですが、初期のコンピュータでは、参照アドレスを変更するためのインデックスレジスタなどによるアドレス修飾と言うような追加のハードウエアがありました。 しかし、プログラムテクニックで、プログラムそのものを書き直すことも可能だったので、アドレスだけでなく、命令コードそのものも書き換えてしまって、まったく別の動きをさせることもありました。

当時はソフトウエアを機械言語で書いていたために出来ることで、現在のように高級言語で書く場合には、このようなことは余程のプログラムテクニックを駆使しないと出来ないようになってしまっています。 また、これと同じことが、ソフトウエア上で表現できるようになってきています。 更には、ソフトウエア品質管理上は、この様なプログラミングは禁止されているのが通常です。

その後の実際のコンピュータでは、2次記憶の存在が重要になり、仮想メモリの技術が発展しました。 さらには、半導体技術の発展で、CPUコアを多数持つものが出現し、最近では、如何にその消費電力を減らすか、と言う点で技術が開発されてきています。

今年も鳥インフルエンザで騒ぎになりました。 幸い中国の鳥インフルエンザも、その後の拡大も確認されていずに、何とか平穏に終わりそうです。 しかし感染力と死亡率の極めて高いウイルスが発生するのは時間の問題だと思います。

ウイルスは生物に最も近い物質であるとされていて、生物であるとは認知されていません。 その増殖には、他の生物である細胞が必要で、自分自身では増殖できないからです。 ウイルスは、一度細胞に取り付くと、その遺伝子を細胞内にぶちまけるので、遺伝子の交雑が非常に容易に起きるようで、これが短期間に新たなウイルスが誕生する原因になっています。 また、ウイルス由来と思われる器官や遺伝子が、我々人間の細胞内に見つかるので、ウイルスは生命進化上も大きな役割を果たしていると思われます。

生物進化も非常に興味のある分野です。 人間のような非常に複雑な生物が、試行錯誤の末に出現すると言うのは、驚き以外の何者でもありません。 最近のと言っても20年ぐらいですが、研究によると。分子レベルでのたんぱく質の進化と言うか変化は、何億年も外形上は変化しないシーラカンスでも、ずっと変化のある哺乳類でも、その速度は変わらないそうです。

変化しても外形的には変化が無く、自然淘汰には中立であるとされています。 外形上も変化すると生存に適不適きが出てくるので、自然淘汰で選択されます。 一番大きなのは捕食だと思います。

今月の読み物は、DNA誕生の謎に迫る! 遺伝子の本体DNAはどうつくられたか?構造、進化、複製から起源の謎をひも解く! (サイエンス・アイ新書) 武村 政春 著 ¥1,000
鳥インフルエンザに影響されて読んでみました。 読み始めは、当たり前のことが書かれていると思い流し読みを始めましたが、途中から真剣になりました。 まだ定説になっていない学説や、将来の見通しも書かれていて、なかなか面白いものでありました。 半分が図絵で、冗長な部分もありますが、まあまあ分かりやすいです。 ウイルスもので挫折した人にお奨めです。

【内容紹介】 遺伝子の本体DNAはどこまで解明されたのか、DNAは私たち生物が生きていくために不可欠な物質であり、すべての生物の“はじまり”に深く関わっている。本書は、遺伝子の本体であるDNAの化学的特徴や遺伝情報物質としての有用性をまとめつつ、その起源の謎をストーリー形式で展開している。

DNAは私たち生物が生きていくために、
子孫を残すために重要な物質であり、
すべての生物の“はじまり”に
深く深く関わっている。本書は、
DNAの“はじまり”、そして生命の“はじまり”について、
科学者たちがどう考えてきたか、考えているかを紹介しつつ、
その化学的特徴や遺伝情報物質としての有用性などを
ストーリー形式でまとめたものである。
その秘められた謎に、いざゆかん!!
★★ (関心のある人は読むべし)






2013年4月2日
桜も最も早く見れましたし、気温が少し低いので、まだまだ今週は見ごろが続くようです。 PM2.5か黄砂かで、いつもより春霞がきついようで、スッキリとした青空にはなかなかなりません。 中国はいつ行っても空がどんよりとしていて、青空を見たことが無かったですね。 なんでも北京の大気は、締め切った部屋で喫煙しているのより、もっとひどい事になっているようです。 しかし人間と言うか生物は、進化の過程でいろいろな環境をくぐって来たので、多少のことでは、この大気汚染で、急激に肺ガンが増えることは無いように思います。

どんよりとした天気に合わせるように、株式市場もスッキリしません。 ほとんどの政策を織り込んでしまっているので、余程のサプライズがないと、これ以上の上昇はないでしょう。 まあ4日の政策決定会合の結果でしょう。 昨日からETFやリートなどが下落していますので、これの買取などを取り上げるのかもしれません。 まあしばらくはこの状態が持続すると思います。

スマホをガラケーに戻して、約2ヶ月。 非常に快適になりました。 電話はしやすいし、取りやすい。 フリップを開いてすぐに話せるのは非常にラクです。 伝言メッセージは残るし、着信も見やすい。 電池の持ちも良いし、作業をしているときには、Bluetoothのヘッドフォンでワンセグの音声を聞いていて、着信があると、そのまま会話できます。 写真のヘッドフォンは、評判が良いです。 体を動かしていても外れることはないです。 防滴にもなっているようです。

難点はFomaとWifiの切り分けが出来ないこと。 メールなど何かあると、iモードのFomaが通信を始めてしまいWifiでは通信できません。 せっかく高速のWifiがあるにも関わらず活用できないし、通信料もかかってしまうことになります。

お払い箱になったスマホは、小型タブレットとして使っていますが、常にWifiルーターが必要と言うのも面倒なので、いろいろ見ていたら、ちょうどサービスが始まったばかりの、ASAHIネットのLTEサービスがありました。 持っていたスマホは、Foma対応なので、LTEでは無いですが、3G対応で、データ無制限で750円ぐらいで使えるので、これは有難いと思い申し込みました。 SIMを送ってくるので、そのSIMを差し込めばOKです。 電話回線を使った通話は出来ませんが、LINEやSkypeなどの通話はOKです。 ちなみにLTE対応だと、月当たりのデータ制限が1Gで、1950円です。 これもリーゾナブルです。




我が家の2階と1階に無線LANのAPを置いているのでが、使い勝手が悪くてイライラしていましたが、何のことは無い、私の理解不足で、SSIDを同じにしておけば、半自動でローミングが出来ることを、今になってやっと分かりました。 WEPしかサポートしていないと思っていた機器があったので、無線ネットワークを分けていたのですが、最近はマルチSSIDのAPも2000円以下で買えるので、これを使うと良いのですが、よく調べたらWPAもサポートしていたりしたので、やっとWEPを追放することに成功しました。

最近ではWEPの暗号は、ほぼ瞬間的に解読でき、TKIPも数分で解読できるとの事で。MAC制限をかけていても、MACの成りすましは簡単に出来るので、防御としては極めて弱いと思います。 残るはAESのみ。 ほぼ全てのAPのアクセスをAESに変更して、やっと安心しました。 TKIPも暗号鍵の更新頻度を上げること、少しは役に立つMAC制限で使えるところは使っていくことにしました。

モーバイルルーターのように、常時移動しているようなものは、WEPでも何とか安心ですが、固定で使っているのは、腰を落ち着けて、高性能のPCで少し時間をかけて通信データを収集すれば、一気に解読することは可能です。 固定的に使っているAPは、暗号強度を最大限に上げておかないと危険だと思います。 また不必要に強い電波をだすのも危険ですので、電波強度の調節が出来る無線APを使いたいものです。 また、節電を兼ねて、安全のため、使用しない時間帯は電源を自動で切る機能も付いている機器もあります。

「WPA の脆弱性の報告に関する分析」は簡明に良く書かれていると思います。 無線LANの安全性に疑問をお持ちの方は、一読をお勧めします。


今月の読み物は関東大震災 (文春文庫) 吉村 昭 (著) ¥ 570
東北大震災2周年を期に読み直してみました。 すさまじい被害です。 ここに描かれているのは、東北大震災で見られたような、極めて礼儀正しい行動ではなくて、我勝ちに行動する、常識的な姿でした。 読みながら現在の中国を連想しました。 90年前とは言え、現在の日本とは異なる、ある意味では、エネルギーにあふれた日本を垣間見ることができます。

また流言飛語も夥しくて、単なる噂話と思っていましたが、当局も実際にそれを本当として扱っていたなどと、思っていたより深刻であったことが良く分かります。

ラストエンペラーの映画でもラストあたりに出てくる甘粕正彦が大杉栄を殺害し、その後満州に渡って満州国の建設に一役買い、更には満州映画界を支配すると言う一連の出来事も思いだされました。

関東大震災の実際の写真はこちらです。

内容(「BOOK」データベースより)
大正12年9月1日、午前11時58分、大激震が関東地方を襲った。建物の倒壊、直後に発生した大火災は東京・横浜を包囲し、夥しい死者を出した。さらに、未曽有の天災は人心の混乱を呼び、様々な流言が飛び交って深刻な社会事件を誘発していく。二十万の命を奪った大災害を克明に描きだした菊池寛賞受賞作。

★★★(是非読むべし)








2013年3月3日
春一番が大暴れしましたが、やっと少しは春らしくなってきました。 今年に入ってからの株価の上昇は凄かったですね。 サスガに2月に入ると定常化しましたが、個別ではまだまだ上がるようです。

日銀総裁人事は、週明けに新聞辞令があってビックリしました。 それでも株価は上昇し、市場には受け入れられたと言う事でしょう。 1月に、黒田さんが日本に戻ってきて、アジア開発銀行に専念しますと言うコメントがベタ記事で出ましたが、この時から、この人事は想定していました。 岩田さんと、後は日銀プロパーの中曽さんで、確かにベストに近いと思います。

安倍首相の施政方針演説でも、「世界」を連呼したみたいですが、これにはまったく賛成です。 民主党の拙劣な国会運営もさることながら、世界に視点を合わせた、話が少なすぎます。 オンリーワンと言う言葉は嫌いですので、オンリーワンからナンバーワンになったのは、非常にうれしいです。 オンリーワンの行き着く先は、「2位じゃ駄目なんですか」主義に陥ってしまい、ジリ貧になってしまいます。

日本は大国ですから、萎縮せずに、世界に出て行く。 オンリーワンなんて細かいことを言わずに、堂々とナンバーワンを目指していく。 この姿勢が、この20年間はなくなっていたと思います。 少なくとも20年前のバブル期には、アメリカのロックフェラービルは元より、アメリカ全体を買えると言う話もあったくらいです。 中国も同じような方向を向いてきています。 ここで日本も負けずに世界に打って出るべきでしょう。

国内では民主党時代に止まっていた政策がどんどん出てきて、その中に、マイナンバーがあります。 アメリカの Social Securithy Number, SSN を想定したもののようですが、またぞろ議論を呼んでいます。 確かにこの番号を導入すると便利なところが多いです。 アメリカではこの番号が無いと銀行口座も開設できません。 納税もこの番号でやります。 ただ全体で9桁しかないし、紙に印刷したものが送られてくるだけなので、重複とか成りすましなどが懸念されます。

SSNの数字は、 AAA-GG-SSSS で表され、AAAはエリア番号、残りの GGはグループ、SSはシリアル番号で、エリア無いでは、最大4万人しか、登録できないことになり、非常に疑問に思っています。 あまりまじめには使われていないようだと思います。

他方の日本のマイナンバーは、以前に大騒ぎして導入した住基ネットの二の舞になるのかと危惧します。 日本におけるシステム設計は、性善説に立ち、利便性を最大限に求めますので、いちど情報漏洩などがあると、問題が大きくなってしまいます。 アメリカのものの考え方は、政府ですら性悪説に立ってみています。 政府もどこかで情報漏洩を起こすのはないかと疑い、その分は利便性が(わざと)低くしてあるのです。 この観点を是非入れて欲しいと思います。 具体的には、それぞれのデータベースはわざと分ける、統一しない、必要に応じてデータをアクセスするようにして、一気に全体をアクセスできるようにはしないことが重要だと思います。

本人確認の観点でも、住基ネットの経験を生かして、最新の技術を投入できるようにしておくべきでしょう。 コンピュータの速度向上により、住基ネットで採用されている暗号化技術による本人確認も、偽造される可能性が高くなってきています。 現在研究開発中の量子コンピュータが完成したら、現在の暗号化技術は無効になるとも言われています。 住基ネットでも、暗号化鍵を入れたカードは、3年に一度の更新が必要です。 国民全体となると、運転免許証の更新手続き並みの規模が常に必要になります。 この辺りの制度・組織設計をきちんとして置かないと、大変な予算を掛けて、また無用なシステムを作ってしまうのかが心配です。

住基ネットでも、確定申告に使えると言うメリットで推進しましたが、それでも普及率は3%程度と言われています。 先日も、更新しましたが、市役所の窓口で、15分ぐらいかかってしまいました。 これが全国民となると、その事務作業だけでも膨大になります。 単なる番号通知では成りすましや重複の問題が解決できないでしょう。

成りすましと言えば、遠隔操作ウイルス事件が、被疑者が否認中で、まだ完全な解決に至っていません。 Torと言う、IPアドレス秘匿ツールが使われました。 たまねぎがシンボルになっていて、剥いても、剥いても、芯に到達しないと言うことです。

この事件で活躍したのが防犯カメラ。 2週間前に設置されたカメラに写っていたそうです。 しかし、その記録の保存とさらにその分析は大変だろうと思いますが、如何に監視カメラが多いのかを実感させられました。 少し前は、イギリスのロンドンはカメラだらけだと言う話がありましたが、どうも日本も監視カメラだらけになったようです。

と言うわけでもないのですが、あまりに安く、3480円送料込み、だったので、試しに買ってみました。 FBでも紹介しましたが、無線有線両用で、この値段は凄いと思います。 これだけ安いと、10箇所つけても3.5万円。 そこそこのネットカメラ1台分です。

画像は30万画素ですが、結構綺麗で、ハイビジョン解像度もサポートしています。 ピント調整は不要。 しかし、他の仕様は少し控えめで、マイクが無い、タイムスタンプが無い、ftpでアップできない。 しかしペット用みたいです、モーション検知で画像をメールで送れます。 スマホでペットの遠隔監視が出来るというのが売りですが、DDNSをセットして、ルーターの FWにポートの穴空けて・・・ と不通の人にはしんどいでしょう。

今月の読み物は、「昭和の名将と愚将」文春新書 半藤 一利 (著) ¥777
おなじみ 半藤 一利 と保阪 正康 が対談形式で、それぞれ2人ずつ評価しています。 名将が先にあって、愚将とされているのは後半にあります。 こう言う書物は大体重苦しくなるのですが、2人の対談形式なので、言いたい放題というところがあって、一気に読めました。 特攻の発案者は大西瀧治郎ではないと言うような話も出てきて面白いです。

責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望…昭和の代表的軍人二十二人を俎上に載せて、現在にも通じるリーダー論になっています。 ★★★(是非読むべし)













2013年2月2日
Blogから自分で書いた1年前の記事が自動で送られてきたので、眺めてみたら、非常に悲観的でした。 株価は少し戻しているんですが、日経平均のBPRが1を切っていて、何が起こっているのか、よく分からなかったです。 昨年末から株価を急激に戻り出して、1月下旬の政府日銀の共同声明で、材料出尽くしで、ガタっとくるかと思ったら、そうでもなくて、しかし更に上がる訳でもなく、下がるわけでもないと言う状況が続いています。 少し良い決算が新聞に出ると、それに反応するのも多くなっています。 一時はドル/円の上下に完全に同期して株価も変化していましたが、最近では多少の変動では反応しなくなったようです。

ソニー株の上昇は大型株にしては凄かったですね。 これで終わりかと思うとまだ上がる。 サスガに最近は少し落ち着きました。 シャープは、業績の改善が見えなくもないですが、いかんせん船頭が多すぎる。 だれが全体を統括しているのか見えないです。 パナソニックも動きが見えない。 それで消去法的にソニーがターゲットになったのだと思います。 一説では、アップルの下落で、その分がソニーに向かったとも言われています。 安倍銘柄の三菱も突然上がったりします。 各企業の決算が出てきたので、次は日銀総裁の内定、年度末、参議院選挙前とポイントがあると思います。

大統領選挙の年は必ず株価は上がると言われて、オバマ政権による株価浮揚策が期待されましたが不発。 前代未聞の大統領選挙になりましたが、それもで勝利したから良かったと言うことでしょう。 その代わりと言うか、その後で日本には大波がやってきたと言うことで、このジンクスは、理由はともかく結果的には当ったと言うことでしょう。

1年前のBlog記事では、スマホを入手して、それについて触れていましたが、1年経って、最近はガラケーに戻そうかと思い始めました。 本来の機能の電話が非常にやりにくい。 発信もタップの位置を少しでも間違えると、関係ないところに繋がるし、着信も着信ボタンが分かりにくくて咄嗟の時に着信できない。 本体での留守録が出来ないので、伝言メッセージが聞けない。 バッテリの持ちが悪くて、電源が切れると電話が出来ない。 などなど不満が鬱積してきました。 ドコモはサスガに2012年冬モデルで、万能のガラケーを出してきましたので、これにしようかと思っています。

走行中には映像が見えないカーナビで気がついたのですが、ケータイのワンセグは不要と思っていたのですが、映像なしで音声だけでも聞ければ、それはそれで使えると思いました。 こう言うことと考えるとガラケーの方が使い勝手が良いのではないか。 スマホは小型のタブレットとしてWifiで使うようにすれば良い。 そもそもスマホが出てきたのは、たまたま通信機能があるケータイにいろいろ機能を付け出して、今や主客転倒しているのではないでしょうか。

料金面で見ても、ガラケーを iモードで使って、メールを最小限にすると、ダブルパケホーダイの350円で済む。 イザと言うときは、しょうがないので、その月はお金を払って、パケホーダイの上限で使う。 スマホの方は、全部解約して、Wifiで使えば、Wifiをポータブルルーターで使えば、最安で2000円ぐらいでしょうから、下手にLTEを新たに契約するより安いです。 その内には、LTEを積んだ安い7インチタブレットが出てくるので、それに乗り換える。

今月の読み物は、「精神論ぬきの電力入門」 (新潮新書) 澤 昭裕著 ¥735
著者の澤さんは、TVにも良く出演していて、どちらかと言うと、元官僚のせいか現体制の側の発言が多くて、本書も最初は淡々とタイトルの通り、私情を交えずに書かれているが、途中から、ちょっと寄り過ぎではないかと言う印象を持ちました。 最後に発送電分離に反対と言うので、アレアレと思っていると、電力の小売を分離しなさいと言う主張でした。

確かに、今までは発電と送電しか議論になくて、配電と言う小売の議論がなかったことに気が付きました。 どのようなビジネスでも最後の最終ユーザに渡すところがポイントなのですが、電力会社の体質なのか、何なのかは分かりませんが、そう言う発想がなかったです。 ここで分離することで、不安定さを懸念する、発送電分離にも安定が担保でき、今までは決して十分とは言い難いサービスを提供する小売の部分で競争が出来るのではないかと期待できます。

発想の転換が出来たという点で、面白い本であります。 一読あれ。

内容(「BOOK」データベースより)
震災後、国民的関心事となった電力問題。しかし議論がこじれる一方なのは、「理想」と「現実」が混同されているからではないか。再生可能エネルギーの将来性は楽観できないし、電力自由化や発送電分離がユーザーのメリットになるとは限らない。さらに世界の資源争奪戦は熾烈を極める一方だ。現実的で妥当な選択肢はどこにあるのか。電力問題のウラオモテを知り尽くした元政策担当者が客観的データをもとに徹底解説する。

★★★(3つ:是非買って読むべし、2つ:興味が出れば読むべし、1つ:読む必要はない)








2013年 元旦 あけまして、おめでとうございます。
昨年は、年末にかけていろいろとあった年でした。 一昨年の卯年の相場格言は「跳ねる」で、東北大震災と言うとんでもない跳ね方でした。 過去60年間の年間騰落率は23%で、卯年は3位です。 それを引き継いだ昨年の辰年の格言は、「天井」で騰落率はトップの29%。 1年を通じてヨーロッパ危機などで低迷したのですが、最後の最後になって、株式相場は大きく伸びました。 ダテに騰落率トップであるわけではないようです。 (写真はGATAG Free Photo 1.0)

今年の干支の巳年の相場格言は、昨年と同じく「天井」です。 騰落率は 5%。 あまり欲張るのは良くないようです。 もっとも2000年の辰年は、平均では29%のアップを記録していますが、ITバブルの崩壊もあって、27%の下落を記録したので必ず当たるわけでも無いようです。

大和証券によると巳年は「相場の転換点」だそうです。 1929年の巳年は米ニューヨーク証券取引所で株価が暴落、世界恐慌の引き金を引きました。 1953年にはソ連首相、スターリンの重体が伝わり朝鮮戦争による特需が終わるとの観測から株価が急落しましたし、バブル景気が頂点を迎え12月に3万8915円の史上最高値をつけた1989年も巳年でした。

静かな期待を集めている第2次安部政権ですが、スタートダッシュはなかなか良いスピード感ですね。 また、海外からも即座にロシアのプーチン大統領などからの反応もあり、幸先は良いようです。

アベノミックスと言われるようになった経済政策、最初は安部発言だったのですが、これで急激に円安に振れました。 これには、単に安部発言だけによるものでは無くて、いろいろな要素が絡んでいると思います。 元々過度に円安に振れていた、海外の状況が安定してきて円安に振れる要素が溜まってきていた、さらには日本の貿易収支の赤字が定着しつつあると言う状況の中で、あの発言があったので、急激に円安に振れたのでしょう。

心配は、やはり財政政策の暴走。 既に44兆円の枠は取っ払うとの話も出ています。 財政出動は必須ですが、これが恐らく日本の最後の闘いになるので、慎重しかも大胆にやって欲しい。 これが失敗すれば、本当に日本は沈没していく。 本当に、自分の預金を全部吐き出す覚悟が要ります。 つまり、ハイパーインフレであろうが、巨大増税であろうが、預金封鎖であろうが、国の債務と、国民の債権の間で、何らかの資産移動と言う大地震が起きるエネルギーが溜まってきていると言う事です。 逆に言うと、敗戦時のように、みんなすっからかんになって、リセットするのも良いかもしれません。

原発ゼロの大合唱もやっと少し落ち着いてきて、冷静な議論が少しは出来る状況になってきたと思います。 やっと最近になって、マスコミが無視してきた、女川原発と、福島第2原発が話題になるようになって来ました。 福島第1と同じもしくは、もっとひどい揺れと津波に襲われたはずの、2つの原発は無事でした。 特に福島第2は補修工事をした数ヵ月後に津波に襲われ、その工事のおかげで水没は免れて、非常用発電機もキチンと動作したとの事です。 福島第1の事故報告も必要ですが、他の無事であった原発の報告もして欲しいと思います。

福島第1は巷間言われているように、関係者の不作為の人災であったわけです。 特に監督責任のある行政側の責任は大きいと思いますが、これで処分されたという話は聞きません。 あの300万人が亡くなった太平洋戦争でも、その責任追及は少なくとも日本側ではなされていません。

最近、江戸時代の行政機構に興味が出てきたので、少し本を読んでいますが、明治維新で勝ったほうの明治政府に、意図的に過小評価されていると思われる江戸幕府を中心とする幕藩体制が意外に有効に働いていたと言う事が分かってきました。 幕府と言う中央政府と、300の藩と言う地方政府が、今で言う地方分権がキチンと機能していたようです。 この地方政府は、議論されている道州制よりもっと独立性が高くて、徴税権や裁判権はもちろん、場合によっては、外交権も保持していたことが伺われます。



中央政府である江戸幕府は、自前で経費を賄い、地方からの税金(年貢)はなく、すべて藩で徴収し、その経費に当てていました。 時々大きな災害なので、費用が発生するときなどは、その都度、藩からその費用や役務を徴用していたようです。

無駄の最大の例のように言われている、参勤交代も派手にやりたがるのは藩の方で、幕府は節約令を何度も出しています。 しかし、参勤交代により何千人もの人が往来し、街道沿いの経済活性化を促し、全国規模での情報の流通が可能になったのです。 ネットも電話も無い時代に、あれだけの情報が日本国内を流通していたのは、驚嘆すべきことです。

これにも増して厳しいなと思うのは、戦争がなくなって行政マンとなった武士の責任の取り方です。 何かあるとすぐに切腹。 失策をやらかすと軽くて閉門、島流し、切腹は、一種の死刑ですが、これが良くある。 不作為で何もしなくても、切腹になる場合もあります。 何か失敗すると、とりあえず蟄居、その内に切腹の沙汰が来るということで、裁判も何もあったものではないですが、これが一種の緊張感に繋がっているのだと思います。

現在の行政の仕組みや、書類の形式を良く見ていると、江戸時代とあまり変わっていないような気がします。 もちろん書類で言えば、毛筆の縦書きですが、よくよく見ると、それが現在では単に横書きのワープロになっているだけのものも多い気がします。 しかし大きく違うのは、責任の取り方。 切腹しろとは言いませんが、それなりの矜持をもって、責任をキチンととる行政の仕組みが必要なのではないでしょうか。

IT関連の話題が少なくなりましたが、これからも進展するのは、スマートフォンやタブレットでしょう。 しかし仕事のためのPCも数量は増えないでしょうが、確実に一定量は存在すると思います。 最近では、個人間のメールのような、やり取りは、Face Book などの方が多くなってきています。 だんだんとSNSの方に比重が移っていく感じがします。

1996年の本欄を読み直していると、その時点でのインテルの予測は、2011年で、クロックが10GHzでした。 この時にこれをCOMDEXで聞いたときは、想像もできないし、当時で15年後と言うのは遥か未来で、実感が無かったのですが、既に16年が経過したと言う事です。 クロックはそこまで上がりませんでした。 おそらく発熱の問題で 3GHzどまりになったのだと思います。 しかし、並列処理は進展し、6万円程度のPCでも4コアのCPUを搭載しているのが普通になりました。

私が若いころに勉強したIBM370の仮想メモリ・アーキテクチャーは今になってみるとおもちゃみたいなもので、最近のCPUアーキテクチャーの主力は、並列処理と、もっと大きいのは節電技術です。 電力を節約するというのではなくて、CPUチップの発熱を如何に抑えるかが最大の眼目のようです。 大きなファン、チップの何百本ものピンなど、15年前には予想もしなかった姿になってきています。

CPUもさることながら、2次メモリも半導体化しています。 半導体ディスクとも言うべきSSDが安価になってきて、250GBで15000円ぐらいなので、プライマリのディスクはSSDと言うことが常識になりつつあります。 ノートブックもSSD化すれば、騒音も無く、振動にも強く、消費電力も少ない、高速のノートブックにすることが出来ます。 このタイプでも最近は5万円程度になってきていますので、ノートブックは完全に半導体で構成出来、コストもどんどん下がっていくものと思われます。

現時点でのSSDは、その仕組み上、書き込み回数に制限があり寿命がくると、データエラーを起こします。 そのために、SSD内部でいろいろな仕組みが内蔵されており、ハード部品と言うより、ソフト部品と言ったほうが近いのではないかとさえ思います。 同じ場所に何回も書き込みを行うと、その部分だけ寿命が短くなるので、SSD全体に満遍なくアクセスが行われるように、自動配置をするようです。 また、毎回書き込みを行うと寿命が早く来るので、書き込みをキャッシュしておいて、一度に書き込むとか、SSDメーカーならではのノウハウが凝縮されて行きますし、それを外部からサポートしないといけないので、PC側にも追加のインタフェースが必要になってきます。 今後もこう言う点で、PCのハードウエアは進化していくと思われます。


今月の読み物は、「幕末単身赴任 下級武士の食日記」 (生活人新書) 青木 直己 著 ¥735です。 江戸時代も幕末になると、ほとんど現代と変わらない生活をしていたようです。 特に身につまされる単身赴任の食生活に的を絞った読み物です。 しばし江戸時代にタイムスリップしてみては如何でしょうか。

内容(「BOOK」データベースより)
時は幕末、万延元(1860)年。紀州和歌山藩の勤番侍・酒井伴四郎が、江戸での単身赴任中に書き記した詳細な日記帳を元に、江戸のグルメを紙上再現!安価ないわしや豆腐で節約しつつも、宴会ではかつお相手に腕をふるい、中秋の名月には月見団子を手作りする。時に王子権現の料亭に贅沢し、浅草で寿司、麹町で牡丹餅に舌鼓。