インストール時にも工夫があります
- インストールなんてやった事がないとか、ずーっと前にやったきり、という人はいませんか。 突然のディスククラッシュとかで、泣く泣くする羽目になったことはありませんか。 災害は忘れた頃にやってくるもので、それも忙しいとか、締め切りが迫っている様なときに発生します。 ただでさえイライラしているのに、こういう事が起きるとイライラは頂点に達します。
- しかし、起こってしまったことはしょうがなく、ここらで気持ちを切り替えて、日頃出来ていなかったセットアップや整理をこの際にやってしまう良い機会と思えば良いのです。 しかし、問題はインストール手順を忘れてしまっている事です。 何しろ1年に1回ぐらいしかやらないので、ほとんど覚えていません。 インストール自体はそんなに時間はかからないのですが、インストールのための準備というか思い出しと失敗による再インストールで時間がかかるのです。
- 私がこのページを作るキッカケになったのがこれで、いつもうろ覚えでやるので、何度も再インストールを繰り返さないといけなくて、キチンとしたマニュアルに残しておきたいと何度も決意しました。 今回このような形でマニュアル化したのも、Web化して皆さんにも活用していただきたいと思ったからです。
- Windows 95 のインストール時に、FDしかないからと言って、FDを散々入れまくっている人はいませんか? なになに? アップグレード以外はCDは無いって? 本当はそうなんですが、OEM用として新規インストールでもCDは実は存在します。 無くても先にFDをディスクにコピーすれば作業を大幅に簡単に出来ます。 98や NTは最初からCDになっています。 NT のインストールはこちらです。
Windows 95/98 のインストール
まずディスクのパーティションを切りましょう
- 最初に必要なのはディスクのパーティションを切ることですが、これがかなり面倒。 PCを立ちあげる術が無いので大変です。 あらかじめDOSの主要部分と FDISK が入ったFDを1枚用意しておきましょう。 この FDISK でパーティションを切るのです。 私も最初は分からなくてウロウロしました。 ハードのマニュアルにはハードの事しか書いていないで、ソフトは立ち上がってからの事しか書いてありません。 Windoes95 を最初にインストールしたときに出来てくる立ち上げFDも使えます。 この中に最低限必要なユーティリティは入っています。
- フォーマットはDOSのインストール時に行われるので、心配せずにMS-DOSのインストールに進んでください。 ちなみに通常のファイルフォーマットである FAT16 では16ビットの制限があって2097M(32K x 65536)バイト以上のパーティションは切れませんので、注意してください。 数値を入れてもエラーメッセージは出ません。
- 最近の、Windows95 OSR2 や Windows98 などでは、NTのようにFDとCDから直接インストールできるようになりましたが、一部のデバイスはサポートされておらず、特にノートブックの旧型のものはキチンとサポートされていませんので、このようなやり方も一部では必要になってきます。
MS-DOSのインストール
- 次にMS-DOSをインストールしましょう。 これはFDしかありません。 オプション無しですと 8枚のうち 6枚でインストールは完了します。
ノートブックの場合はカードサービスをインストール
- ノートブックですとインストールはPCMCIAカードからしか出来ませんので、ここで Play at Will などのカードサービスをインストールしてください。 これは全くデフォルトのままのインストールで良いので、何も考える必要はありません。 まあ最初のインストールコマンドぐらいは入れないといけないでしょうが。
CDドライブのドライバのインストール
- 次に使用するCDドライブのドライバをインストールします。 これもドライブに付属のドライバをデフォルト通りにインストールするだけですむでしょう。 ちなみに私はソニーのCDドライブを使っています。 これは音楽CDプレイヤーとしてもなかなかのもので、一度の充電で数時間の演奏が楽しめます。 低音の再生も十分でサスガに音楽専門メーカーならではと言う感じです。
インストールモジュールのコピー
- やっとここで Windows 95 の CD からディスクにコピーが出来るようになります。 CDの Win95 のフォルダを丸ごとエイヤとコピーしてください。 xcopy コマンドでフォルダごとコピーできます。 CDが無ければしょうがないのでFDを入れてください。 FDから直にインストールするのに比べて、待ち時間が無いだけ負担は少ないでしょう。 またインストールに失敗して再インストールする場合にも非常に役に立ちます。
- あと、 Plus! もお持ちでしたら、ここでコピーをしてしまっても良いと思います。 立ち上げFDを作る時とか、何とかで、時々必要になりますから。
コンベンショナルメモリの確保
- これで、いよいよインストール開始と思ったら大間違い。 試しに、コピーしたフォルダにcdコマンドで移動して、setup とやってみてください。 見事にメモリエラーになるでしょう。 要するにコンベンショナルメモリが少ないのです、というより、セットアッププログラムが大食いするわけです。
- memmaker とコマンドを入れて、全ての設定を Yes として走らせてください。 途中でシステムを立ちあげ直さないといけませんが、これでコンベンショナルメモリは確保されました。
やっとインストールの開始!!
- やっとインストール開始です。。。 途中で自分がライセンスを受けているライセンス番号をキチンと入れてくださいネ。
Windows NT のインストール
- Windows NT のインストールはあっけないほど簡単です。 95が立ち上がっていたらそこから直にCDでインストールできます。 真っ白なディスクからでもFD3枚で立ち上げられます。
- どちらの場合でも、最初にパーティションを聞いてきますが必要な、要するにNTをインストールするパーティションだけ作ればよいので、DOSとは異なります。 残りの部分はNTを立ち上げてからディスクアドミニストレータというNTの上のユーティリティでセットできます。 更には、NTFSですと、複数のドライブにまたがるボリュームを作れますので、何もインストールの初期に悩まなくても良いのです。
- しかし後述の様に、理想的なパーティションを切るのであれば、前もって戦術をたてて、キチンとパーティションを切っておきましょう。
- ファイルシステムは余程の理由がない限りNTFSを選択しましょう。 他のシステムからのデータアクセスはネットワークで出来ますし、最近ではほとんどのコントローラが100Mイーサをサポートしていますので速度の点でも大きな問題にはならないでしょう。
- それと緊急対策として、後述のようなパーティションを作っておくと、万全です。
- さらには、IDEのプライマりのマスタを空きにしておいて、緊急時に立ち上げられるような、緊急立ち上げディスクを作っておくと、ほぼ完璧です。
- NTは変にP&Pになっていないのでインストールも95に比べてかなり早く出来ます。
- 注意点は、インストール時に不要だからと、 IME や IDE をインストール時にインストールしておかないと、本体のNTのインストールが始まったとき、自動的にインストールされません。 SCSIからのインストール時でもキチンとIDEは認識させて起きましょう。 私はちょっとズルをしたおかげで、再度インストールをやり直す羽目に数回はなりました。 (^^;;
FATシステムの特徴
FAT16
- 初代のDOSから何回かの改定を経て、現在の仕様になっています。 要するに16ビットでクラスタ(セクタの集まったもの、ディスクの管理単位と考えてください)を管理しようとするもので、これで分かるとおり16ビットつまり65536クラスタまで管理と言うか最大容量がこれで決まるわけです。 初期の段階ではFAT12と言う12ビットでの管理が存在したようです。 当時はこれで十分と思われていたのでしょう。
- 1クラスタの容量でディスク(C:とかD:とかの単位で本当のディスク全体ではありません)全体の容量が決まります。 32Kとすると2097M(2ギガと少し)が最大になります。 16Kだとその半分約1ギガしかアクセスできません。
- 要するに最大クラスタ数は決まっているので、反対にクラスタ容量を増やすことでディスク容量を増やしてきたわけです。 最近では4Gbのディスクも珍しくはなくなったので、これでも一つのディスクを2つにパーティション分けをして使わないといけない訳です。
- それならいっそのことクラスタを64Kにしたら、、と言う考えが出てきます。 現実にはそういうフォーマットも存在するのですが、実用的ではありません。 次に述べるように32Kでもかなりの効率低下になるので64Kではものすごく小さな使用効率になってしまいます。
- 32Kクラスタでも、実際使われているのは平均して半分ぐらいに過ぎません。 1Kのファイルでも極端に言えば10バイトの設定ファイルでも32K消費するわけで、効率はきわめて悪いと言わなければなりません。 特にメールのような数Kバイトの小さなファイルが沢山出来る場合は効率がものすごく落ちてしまいます。 実際に、1Gのディスクから2Gのディスクへコピーして3分の1が余ってコピーできなかったことがあります。
- ディスク圧縮ツールもどのような処理をしているのかは明らかではありませんが、この辺を利用している感じがします。 単に複数ファイルを一つのファイルにするだけで約2倍近い見かけの圧縮が得られるわけです。
- このようにFAT16はいろいろな欠点がありますが、DOS/3.1/95/98/NT とすべてに互換性があります。
FAT32
- 16ビットでだめなら32ビットはどうだ! と言うわけで最近のWindows95のOSR2 と Windows98 ではFAT16と32の両方がサポートされています。 但し現時点ではOEM専用となっており、単独では入手できずに何らかの製品に付属しているものを使わなければなりません。
- しかし、従来のFAT16とは互換性がなく、間違ってFAT16用のディスク管理ツールを動かすとデータが破壊されてしまうかも知れません。 当然 DOSを動かして何かをしようとしても何も出来ません。 NTとの互換性もありません。
- クラスタサイズは4Kで、その使用効率はかなり良いとされています。
NTFS
- NTで採用されているファイルシステムです。 クラスタサイズは512バイトとセクタと同じなのでその使用効率は極めて高いものがあります。 おまけにディスク圧縮がシステムに最初から入っていますのでこれを使えばかなりの使用効率アップが見込めます。
- セキュリティも組み込まれていて、フォルダやファイル単位でのセキュリティのセットが出来ます。
- さらには、ミラーリングやストライピングと言った高度なディスク管理も備えています。
- このように良いことずくめで、確かにそのとおりですが、欠点は当然ですがDOSや95で使われているFAT16と互換性がないこと、 大きなディスクを前提に作られているので小容量のディスクには向かないことがあります。
その他のファイルシステムと参考
- OS2用のHPFSなどがありますが一般的ではありません。 しかしその性能は極めて良いとされています。
- PartitionMagic と言うソフトウエアが最近では日本語のマニュアルがついて販売されています。 このマニュアルがディスクの基本知識を得るためには格好の参考書となるでしょう。
NTFSやFAT32のようなFAT16と互換性のないファイルシステムを使う場合の最適なディスクパーティションの切り方
- 以下のような3つのパーティションを第一ディスクに作っておくのがベストでしょう。 FAT16パーティションは、多くて数十メガあれば良いでしょう。 前述のマルチブートと組み合わせて、DOSが立ち上がれば、理想的。 そうでなくても、FDで立ち上げて、FAT16にあるアプリを動かせたらOKです。
- まず、マルチブートマネージャー用、 数メガで十分です。 本格的なマルチブートが出来ます。
- 本体のNTFSやFAT32のパーティション。
- メンテナンス用のFAT16パーティション。
- いずれにしても、本体のパーティションの前後に小さなパーティションをつくって置くのは、後々便利な事が多くあります。
- DOSからNTFSやFAT16のファイルを少なくとも覗ける、シェアウエアやフリーソフトは多くあります。 書き込みは難しいようです。
- パーティションの配置を決めてしまうのは、特にNTの場合に、 boot.ini ファイルを変更しなくて良いと言うことです。 下手にパーティションの配置を変えてしまうと、 boot.ini を書き換えなくてはならなくなります。 ところがNTが立ち上がらないのに、NTFSのファイルの中身を書き換えることは出来ません。 従って、なるべく boot.ini の書き換えはしなくて良いようにしておくべきなのです。
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